WHO / TRS 1044 Annex 6: WHO good practices for research and development facilities of pharmaceutical productsの注釈付き対訳【第1回】
本対訳のはじめに
本対訳は、2023年2月に「WHO Expert Committee on Specifications for Pharmaceutical Preparations(Fifty-sixth report)、別名WHO Technical Report Series 1044(TRS 1044)」として発行された研究報告書の中の一追補のガイドライン「Annex 6: WHO good practices for research and development facilities of pharmaceutical products(医薬品の研究開発部門についてのWHOのグッドプラクティス)」の全対訳であり、5回連載の予定である。
本ガイドラインは、筆者の認識では、今回が初発のガイドラインである。ヒト治験に入る前にあたる前臨床試験用および非ヒト用使用のための開発製品に対するGood Practices(グッドプラクティス)についてのガイドラインである。背景には、COVID-19パンデミックに対する迅速な治療薬・ワクチンの開発ということがあり、迅速な承認には、しっかりとした(信頼性の高い)データが必要になるということからだと推測する。逆に言えば、ヒトに使わないから“いい加減”で良いなんてことは在り得ない(許されない)。医薬品開発という大命題、ひいては将来の申請用データに直接/間接的に用いられるということを意識してほしいということだと認識している。
なお、本対訳に際しては、出来る限り直訳を意識したが、英文としての受動態表現や日本語的に馴染みのうすい表現などもあり、さらにはGMPに造詣の深い者でないと分かり難いといった文章もあることから、筆者なりの解釈を踏まえて意訳している部分があることをご容赦いただきたい。
必要に応じては、理解し易いように条項内に青字で追記を施し、また必要に応じては、各事項に「《注》」として本邦の治験薬GMP基準や治験関連の手続きなども踏まえた注釈を施している。
ただ、対訳自体が間違っている可能性もあり、筆者として不明瞭な点もあるため、あくまで自身で英語原文を読んで理解することを強くお勧めする。そのような点をご理解いただき、ご活用いただければ有り難い。
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