非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス【第2回】

【第2回】非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス
4. 微生物管理計画書 (略)
5. 非無菌医薬品の微生物許容基準値
総好気性微生物数(Total Aerobic Microbial Count:TAMC)及び総真菌数(Total Combined Yeasts/Moulds Count:TYMC)に対する微生物許容基準値を設定することにより,医薬品原料中の微生物学的品質が維持されているか又は悪化しているかを製造初期段階に判断することができる.また,必要に応じて適切な是正措置をとることも可能となり,医薬品原料の微生物学的品質の維持,改善に役立てることができる.合成及び鉱物由来原料に対する微生物許容基準値は,別に規定するもののほか,表1に従う.化学合成で製する医薬品原料は製造工程において高温処理,有機溶媒処理などを行うことにより一般に低いバイオバーデン状態にあるが,植物や動物由来の医薬品原料は,一般に合成原料よりかなり高いバイオバーデン状態にある.
⇒原料の製造方法によって微生物管理のレベルを選択します。
非無菌医薬品の製造に用いる水の微生物学的特性は,最終製品の微生物学的品質に直接影響を及ぼすので,これらの微生物管理にも,細心の注意が必要である.
非無菌医薬品の最終製剤に対する微生物許容基準値の判定は,別に規定するもののほか,表2に従う.
これらの基準値は,非無菌医薬品の適用法,水との親和性などに基づき規定されている.経口用の液状製剤や水との親和性の高い非無菌医薬品については,一般に低い微生物許容基準値が設定されている.表2には,微生物許容基準値が設定されている製剤において存在してはならない特定微生物も示している.ただし,これら検出されてはならない特定微生物を全て網羅しているわけではない.ある特定の製剤では原材料の特性や製造工程によっては,ほかの微生物に対する否定試験も必要である.
⇒製剤工程のおいては水の管理が重要になります。
また,規定された試験では規定されたレベルでの有効な微生物測定ができない場合には,示された許容基準値に可能な限り近い検出限界を有することがバリデートされた試験方法を用いることができる.
表2に挙げた微生物に加えて,検出すべきほかの微生物の重要性は次のような見地によって評価される.
(ⅰ) 製品の用途:危険要素は投与経路(眼球,鼻,呼吸器官)によって異なる
(ⅱ) 製品の性状:当該製品は微生物の発育を支持するのか,それとも十分な抗菌的活性を有するのか
(ⅲ) 使用方法
(ⅳ) 使用者:新生児,幼児,衰弱した人に対するリスクも異なる
(ⅴ) 免疫反応抑制剤:皮質ステロイドの使用
(ⅵ) 疾患,外傷,臓器損傷の有無
必要に応じて,関連した要素のリスク評価は,微生物学を学び,微生物学的データの解釈について特別に訓練された職員によってなされる.
原料に対するリスク評価はその原料が供される工程,最新の試験技術,要望される品質規格の原料であることを考慮に入れる.微生物許容基準値が規定されているときは,以下のように判定する.なお,微生物許容基準値は,個々の試験成績,又は繰り返し測定を行う場合には繰り返し測定値の平均値とする.
101 CFU:最大許容値=20
102 CFU:最大許容値=200
103 CFU:最大許容値=2000,以下同様
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