ラボにおけるERESとCSV【第21回】

3-5.コンピュータのログインアカウントを共用すると、なぜFDAは気にするのか?
■ガイダンス要旨
▷変更権限の限定
コンピュータによるMPCRなどの記録、あるいはコンピュータへのラボデータ入力を権限者以外が変更できないように、適切な管理を行わねばならない。
▷作業者の特定
作業者を特定出来るように文書管理を行わねばならない
§211.68(b)、§211.188(b)(11)、§211.194(a)(7) 、§211.194(a)(8)、§212.50(c)(10)
▪ ログインIDが共用されている場合、作業者を特定することができずCGMP不適合となる。文書管理を含めシステム管理をCGMPに従って設計し、製品品質を確実にすることをFDAは求める(例 §211.100、§212.50)
 
■解説
▷ウォーニングレター
IDの共有を指摘しているウォーニングレターは多い。CGMPデータへのアクセス権限管理はアプリケーションレベルの個別ユーザーアカウントにて行い、OSのログインはOSレベルの共有IDで行う場合、その正当性を文書化しておくことを推奨する。
▷Part 211参照条文
§211.68(b)     自動化・機械化・電子化された機器(b)
§211.188(b)(11)  バッチの製造と管理の記録(b)(11)
§211.194(a)(7)    試験室記録(a)(7)
§211.194(a)(8)    試験室記録(a)(8)
§211.100      製造とプロセスの管理における手順書と逸脱


3-6.記入前の記録用紙はどのように管理すればよいか?
■ガイダンス要旨
▷製品品質を保証する文書管理が行われていること
(§211.100、§211.160(a)、§211.186、§212.20(d)、§212.60(g)を参照)。
▷記録用紙の管理
ワークシート、ラボノート、MPCRなどの記録用紙が使われている場合、記入前の記録用紙を品質部門もしくは以下の様な手法により管理するとよい ・頁番号を記載した記録用紙のセットを必要に応じ発行し、発行した全記録用紙を使い切った時点で、それらの整合性を確認する ・未完もしくは書き損じた用紙は、差替理由書とともに正式記録の一部として保存する(例:§211.192、§211.194、§212.50(a)、§212.70(f)(1)(vi)) ・許可されたノートブックの使用 文書管理グループの許可印がおされた頁番号つきの綴じられたノートブックを使うようにすれば、ノートブックのページ抜けのみならず、未許可のノートブックの使用も発見できる。
 
■解説
▷記録用紙管理の一例
記録用紙管理の一例を紹介するので、参考にされたい。
・CGMP作業を行わない部門が記録用紙を用意しCGMP作業部門に送付する
・送付する記録用紙の各頁に、頁番号、総頁数、送付者のサインを記入しておく
・送付枚数は要求枚数より若干多目にしておく
・CGMP作業完了時に、送付した全記録用紙を送付部門が回収し、全数回収を
 確認する
▷Part 211参照条文
§211.100     製造とプロセスの管理における手順書と逸脱
§211.160(a)     試験室管理の一般要件(a)
§211.186     製造管理記録原本(MPCR:Master Production and Control Record)
§211.192     製造記録のレビュー
§211.194     試験室記録

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