Quality Culture【第10回】

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将来の成長のための種蒔き 「世界史の極意」佐藤優著より
労働力の賃金
1)労働者が次の一か月働けるだけの体力を維持するに足るお金
2)労働者階級を再生産するお金。つまり家族を持ち、子どもを育てて労働者として働けるようにするためのお金が賃金に入っていいないといけません。
3)資本主義社会の科学技術はどんどん進歩していきますから、それにあわせて自分を教育していかなければいけない。そのためのお金。
この考え方はマルクスの最大の貢献でした。
⇒これを業務に当てはめると下記になります。
1)業務に必要なリソースの提供(GMP省令改正の1つ)
2)新人に教えて業務ができるようにするための教育訓練のリソース
3)業務に必要な知識や新しい情報に関する知識を高めていき、今の仕事を改善していくためのリソースの提供
優秀なマネイジメントは2)、3)に注力しています。3)に注力している上司は、未来の姿に投資を行っています。自分の今の成果による評価より、会社の未来に種を蒔いているのです。経営のトップや人事労務は、1)だけだと思って業務に要する工数だけに限定していないでしょうか? 2)を見ている会社はあると思います。しかし、3)を見ている会社はどの程度あるでしょうか?
 2)が多くなり、逸脱&OOS/OOTを多く出していないでしょうか? 3)ができなくなっている製造所が増えていないでしょうか?そのため、品質にほとんど貢献しない業務をSOPに定まっているからと延々に行っています。見直して省略を行っていません。何が品質に貢献し、何はしなくてもよいか、それを現場で考えるのですが、それができなくなり、SOPに書いてあることを行うオペレーターになっていないでしょうか? 
 かつ、派遣さんの新規採用と退職を繰り返すため、オペレーターとしても十分でない状態です。QAも現場力&QCの力(知識と体験)がないため、評価の内容についてブラックボックス化しつつあります。
経営トップや人事がコスト削減を図りました。短期的な視点でみれば効果がありました。その時の担当者は評価されたでしょう。しかし長期の視点でみると、今多くの問題が噴出してきているのではないでしょうか? 
  まさにコスト削減は、将来の種もみを食しただけだったのかもしれません。そのような状況下であっても、現場に関わる人は、自分の能力Upを図っていただきたい。かつ製造所の諸問題を品質と効率化の視点から解決に関与できる力をぜひ身に付けていただきたい。
そして経営トップや人事はコスト削減負担が大きすぎると、マルクスが言っていた3)のコストまで取ってしまい、その後に起きるいろいろな品質問題によって、コスト削減以上のコストがかかってしまうことを肝に銘じて判断を行っていただきたい。現場が考えられなくなるとそれは品質の低下、コストUpだということを理解していただきたい。そしてそれが製品回収、欠品を招きます。
一方、会社が仮にそうであっても自分は自分の貴重な時間とお金を自分に投資して欲しいです。会社の学びの機会を積極的に活用して自分の質向上を図っていただきたい。それが結局遠回りのように見えて、品質を良くする近道だと思います。

どのようにするか?
https://note.com/atsu1166/n/n7c8b62458d5b 2020/9/14 参照)
「You can take a horse to the water, but you can’t make him drink」
馬を水飲み場に連れて行くことはできても、馬に水を飲ませることはできない。
 まずは学びたいとの意欲を持ってもらうことです。それには、学びがどれだけ大切であるか。そして学ぶことでどれだけ自分にメリットがあるかを伝えることになります。
 そのための仕組みを設けることです。
・通信講座修了者には5~8割補助
・セミナー参加費全額補助(ただし報告書作成またはFBを行う)
・業務時間に一定の研修時間を確保
・改善に費やす時間を5~10%確保
・他社製造所との見学会や交流会開催 
・日科技連のQCベーシック・コースなど統計セミナー参加 など

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