エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第9回(最終回)】

6.EO滅菌の日常管理

6.1 滅菌工程手順書
滅菌工程バリデーションで、滅菌に必要なすべてのパラメータや管理項目が決定されたら、それらの情報を滅菌工程手順書として正式に発行します。 滅菌工程手順書には、少なくとも以下の詳細な情報や手順を含めるか参照できることが必要です。

・使用滅菌器(プレコンディショニングルーム、ガス抜き室などを使用する場合は、それらについても記載すること)

・滅菌工程パラメータの設定条件

・工程パラメータの許容範囲

・製品の性状、包装形態、滅菌時の梱包形態、滅菌器への積載形態、BI・CI・センサー類・サンプルの個数および挿入位置(BIは、滅菌工程確立やバリデーション結果よりもっとも滅菌されにくいと判定された場所を含むことが望ましい。一方製品サンプルは、最も温度が高い場所など製品に対するダメージが大きいと判断される場所に置くことが望ましい。)

・ユーティリティーの調整を含む滅菌装置の運転手順

・滅菌作業に関する安全管理

・滅菌工程のモニタリング(記録)

・滅菌後のサンプリング方法

・滅菌後の製品の扱い
 

この手順書は、作業者が読んで正確に作業を行うことができるように、明快かつ詳細に記載しなければなりません。 許容されるパラメータの誤差、逸脱時の対応、作業場の注意事項などももれなく記載します。 もちろん作業者は実作業に先立ち、必要な教育訓練を受けなければなりませんが、その教育訓練の資料になるのもこの手順書になります。
繰り返しますが、滅菌工程は製品の無菌性を保証する上で極めて重要な工程です。 同時にEOには毒性や爆発性があることより、危険な工程でもあります。 そのため滅菌に携わる作業者は、滅菌工程で要求される管理事項や注意事項について、正しい知識と技能を持たなければなりません。

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