医薬品開発における非臨床試験から一言【第63回】

全身オートラジオグラフィーの進化
全身オートラジオグラフィーの進化
本稿の第18回において、ラットを用いた全身オートラジオグラフィー(WARG: Whole body Autoradiography)の標本作成を取り上げ、定量オートラジオグラフィー(QARG:Quantitative Autoradiography)を解説しました。今回は、さらに14C-標識体を特殊な方法で投与したWARGを幾つか示します。次に、技術的に難しい3H-標識体の投与によるWARG作成を取り上げました。
14C-標識体を投与した場合のWARGについて、
- ラットを用いた経皮投与では、エーテル麻酔で致死後に投与部位をCMC溶液でコーティング後、凍結して包埋し切片作成を行いました。投与部位に高濃度の14C-標識体があるため、切片作成時に14C-標識体の汚染が広がりやすく対策に苦労しました。
- 14C-標識薬を眼球へ点眼したWARGも作成しました。わかり易くても、あまり見栄えのしない眼の画像となりました。
- 14C-標識液剤の持続静脈内投与では、数時間程度まではラットをボールマンケージに固定して尾静脈から投与しました。毎日の反復投与も可能です。さらに1週間程度までの長期持続静脈投与では、静脈投与用のカテーテルを頸静脈に留置し、飼育ケージにフリームービングの環境で14C-標識液をポンプで持続投与しました。中心静脈内栄養管理によるラット病態モデルのWARGを示します。
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