サプライヤーオーディットのポイント【第1回】

2014/02/24 品質システム

はじめに
 周知のように平成17年の薬事法改正を機に製造承認制度から製造販売承認制度に変更され、医薬品の製造販売業者(製販業者)は製造から販売、安全性の監視まですべての事象に対して一貫したポリシーを持って対応することが求められることとなった。製販業者の組織形態としても、全体の責任をもつ総括製造販売責任者(総責)の下に品質保証責任者(品責)と安全管理責任者(安責)を設置することが法的な要求事項となった。
 
 この薬事法改正に伴い医薬品の製造についても、改正前の区分許可制度における製造委託にかわって、製造業許可を有している製造所に対して、国内外を問わず医薬品の製造委託が可能となった。以前の区分許可に基づく製造委託においては製造に関する一義的な責任は製造業許可を有している製造所にあったが、改正後はすべて製造販売承認を保持している製販業者の責任となった。従って外部へ製造委託している場合には製販業者は何らかの形で製造所をコントロールし、継続的に品質を確保することが必要となった。オーディットはその方策の一つとして位置づけられ、それを定期的に実施することが通例となった。しかし、現実的には製造委託先の数が多くオーディットする委託側にも、それを受ける受託側にも業務負荷が増すこととなった。
 
 そのような状況の中で、本稿ではオーディットを効率よく、かつ有効に進められるようにオーディットする側とオーディットを受け入れる側の両者のポイントについて述べてみたい。

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執筆者について

上田 泰生

経歴 1974年ミドリ十字入社、中央研究所配属。製剤研究部長、中央研究所業務部長を歴任。旧吉富製薬と合併後、信頼性保証部長としてGXP全般の監査を担当。その後2回の合併(三菱ウェルファーマ、田辺三菱製薬)を経る中で薬事監査部、品質保証部、薬制管理部を経験。2008年ニプロファーマ入社、本社品質保証部、城北工場品質保証部長を歴任。2013年退社。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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