【第43回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、“変革推進、品質は儲かる”

新しい方法をデザインする、問題解決と課題解決の違い(その1)
オペレーショナルエクセレンスは「企業組織の経営的課題の解決力を向上させ、企業価値を創造する企業変革プログラム」です。OPEXには、図43-1に示すように、2種類のアプローチがあります。1つは目の前の問題を解決する従来からある問題解決手法です。もう1つは、先のことを考え、もっと良いやり方を考える課題解決手法です。目指す目標があり、新しいアイデアや手法で現状プロセスを再構築したり、再設計(リニューアル)したりするので、デザイン手法と言い換えることもできます。

OPEX=シックスシグマ、シックスシグマ=業務改善、業務改善は製造部門を中心に実施するもの、シックスシグマは1990年代のもので古いという理解やイメージは、情報がアップデートされていません。さらに、品質改善や現場改善活動は日本のお家芸で、日本が一番だから海外から学ぶものはないとは、もはや幻想です。
海外メンバーと仕事をすると、KAIZEN、Fishbone analysis、パレート、KANBANなどの言葉が出てきます。日本人は知っていて当たり前で、使い方を説明してくれと言われます。皆さんはこれらのツールを使ったことがあり、説明できますか。確かにQC7つ道具や改善活動は日本から海外に輸出されました。海外ではこれらのツールを、オリジナル+独自の解釈や発展させ成果を出しています。我々は再び海外から学ぶべきです。
第42回でシックスシグマからOPEXへの変遷を紹介しましたが、世の中、日々進歩しています。過去や思い込みを捨て、広く学び、使えそうなものは実務で活用するとよいです。
【OPEX2種類のアプローチ、問題解決と課題解決の違い】
はじめに、問題解決手法と課題解決手法は何が違うのでしょうか。OPEX用語としての「問題」と「課題」について、言葉の定義、それぞれのアプローチを解説します。
問題解決と課題解決は、「OPEX実行の勘どころ ーマスターブラックベルトが語る本音の話ー 第7回」でも取り上げました。
リンクはこちらです ☞ https://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=13754
英語で問題はProblem、課題はIssueです。意味が明確に違います。日本語で「それは問題だね」という場合は、問題と課題の両方が交じっていて、文脈から問題か課題かを判断しなくてはなりません。問題の中に課題が含まれるという解釈もあるでしょう。私がなぜ問題か課題かに拘るのは、言葉上は同じようであっても、OPEXを使い次のアクションを考える上で使用するツールやアプローチ、考え方が異なるからです。問題解決アプローチと課題解決アプローチは違うということです。
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