基礎からのGPSP【第5回】

~調査ガイドライン③~


3.製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について
製造販売後調査等のガイドラインの発出はないが、PMDAより改正前の平成30年1月に個々の調査目的に応じて科学的に最適な手法を選択して効率的、効果的な調査を実施する目的で、製造販売後調査等の実施計画の策定に関し、基本的な検討の進め方が示された。これまでは、調査等の実施方法等について、製造販売後調査等ガイドラインとして通知で示されていたところである。調査等の手法として医療情報データベースを用いた製造販売後の調査の位置づけが明確になったことから、個々の調査目的に応じて科学的に最適な手法を選択して効率的・効果的な調査を選択・実施することが、より求められるようになった。
 
3.1. 実施計画の策定に関する検討の進め方の概略
製造販売後調査等を実施する場合には、治験等の情報及び対象となる疾患や医薬品の特性も踏まえ、具体的かつ明確な調査の課題(リサーチ・クエスチョン)を明確にした上で、過不足なく適正に実施することが重要となる。予め調査目的や必要性について対象集団、当該薬剤、比較対照、対象とする有効性・安全性検討事項、対象期間等を含め十分に検討し、設定された課題に従って、調査・試験デザイン、最終的に評価する指標値、情報の取得方法等について十分な検討を行い、真に必要な調査等を実施することが求められる。
例えば、製造販売後の有効性評価については、承認審査の過程や製造販売後に生じた評価すべき具体的な検討事項が存在しない場合は、文献の分析等の通常の安全性監視の方法で検討することでよく、追加の安全性監視である製造販売後調査等は必要なく、製造販売後に具体的な検討事項が生じた場合に、当該事項を科学的に確認することが可能となる製造販売後調査等を実施する必要がある。検討事項の存在によりその実施が求められることとなる。
 
3.2. 安全性監視計画の具体化
安全性監視計画を具体的にするには、安全性検討事項を「医薬品リスク管理計画指針について」に基づき設定するなど、科学的な観点及び現行の承認審査の過程を踏まえて、
1)各安全性検討事項における製造販売後に明らかにしたい懸念事項の明確化
2)懸念事項ごとの科学的に適切な対処方法の決定
3)各対処方法の関連法令下における位置づけの整理
4)詳細な調査計画(プロトコル)の策定
の大きく4ステップに分けることができ、原則としてステップ3までが明確になった段階で承認されることになる。ただし、懸念事項によっては、製造販売後に直ちに安全性監視体制の確立が求められ、詳細な調査計画の提出も求められることもある。
 
 

 

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