医薬品設備建設における「オーナーのプロジェクトマネジメント2nd改訂版」【第10回】

13. 発注方式
 国内の製薬企業において、医薬品設備の建設プロジェクトを実施する場合、少なくとも詳細設計以降については、エンジニアリング会社やゼネコンに一括発注するケースが殆どである。つまり、国内製薬企業では、詳細設計、施工管理、機器や計装機器などの購入品の手配などを実施する能力や人材を持っていないのが現状である。詳細設計より以前のステージについて考えると、例えば基本設計をすべて製薬企業にて実施することも、国内製薬企業ではほとんど不可能と思える。一般的には、基本設計のすべて、あるいは基本設計の途中から、あるいは基本設計の後半から外部に依頼する形態が多い。さらに製薬企業にエンジアリングの能力や人材が無い場合は、FSや基本計画段階から、外部依頼を行うこともある。
 すなわち、どのステージまでを製薬企業自身で行い、どの部分から外部に依頼するかは、当該プロジェクトのタイミングにおいて、プロジェクトに関わることのできる製薬企業のエンジニアリング能力と人材しだいであるといえる。つまり同じ製薬企業でも外部依頼の範囲は、常に同じではなく、そのタイミングにおける製薬企業の事情によって異なってくる。製薬企業や請負企業(エンジニアリング会社やゼネコン)の方々が、『製薬企業から外部に依頼する範囲は、同じ製薬企業であれば常に同じである』という間違った考え方を持っている場合があるので注意をすること。

 以上を考慮して、請負企業(エンジニアリング会社やゼネコン)に一括発注する場合の一般的な例を以下に示す。
 

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