いまさら人には聞けない!微生物のお話【第6回】

腐敗とは?
第一部 微生物の基礎編
1. 微生物とは
2. 微生物学の歴史
3. 細菌とは?
4. ウイルスとは?
5. 真菌とは?
6. 微生物はどこにいるか?
7. 無菌とは
8. 空気がなくても生きられる微生物
9. 腐敗とは
9. 腐敗とは?
夏場の食中毒の時期に「昨日の食べ残しを冷蔵庫に入れ忘れたため、腐ってしまった」などと耳にすることがあります。この「腐る(腐敗)」とはどのような意味でしょう?
一般に腐敗とは、食品などの有機物が微生物の働きによって変質する現象をいいます。腐敗が微生物に起因する現象であるのであれば、腐敗を防止するには、微生物が増殖しにくい環境を作ればいい、ということになります。腐敗は大昔から知られた現象でしたが、昔はコールドチェーンなどなかったため、なんとか腐敗を防ぐか、せめて遅らせる方法として、様々な保存方法が考案されてきました。これは古くから保存食として、私たちに引き継がれています。たとえば:
- 浸透圧を高くする(塩漬け、ジャム、ハチミツ、梅干しなど)
- 水分を減少させる(干物、乾物、乾パンなど)
- pHを微生物の増殖に適さない領域にコントロールする(酢漬け、酢の物、ピクルスなど)
- アルコールを入れる(酒類など)
これらに加え、さらに現代では低温に保つ(冷凍、冷蔵)、防腐剤を使うなどの方法があります。
注意:「空気を断つ」ことは、好気性菌の増殖に対しては有効ですが、逆に嫌気性菌の増殖を引き起こす危険性があります。
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