経歴 千葉大学 医学部付属病院 臨床研究基盤整備推進委員会シーズ評価専門部会委員 持田製薬(株)にて中央研究所副部長、知的財産部長を歴任。千葉大学での特任教授を務め、2009年4月より現職。この間、2010年より日本製薬工業協会知的財産部長。2012年から2015年まで東京医科歯科大学客員教授を兼任。また日本知的財産協会の特許委員長、バイオテクノロジー委員長、常務理事、副理事長を務める。その他、特許庁:微生物寄託検討委員会委員、環境省:生物多様性条約名古屋議定書検討委員会委員、知的財産研究所:用途発明に関する調査研究委員会委員を歴任した。 現在の研究内容は『製薬企業の知財活用、医療分野の実用化促進に資する知財戦略の推進』である。
2015/11/25 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第6回(最終回)】
11.知財戦略の対象と課題 (1)既存特許の活用と対策 既承認医薬品については、殆どの場合、それに関係する特許が存在します。従って、それらの既存特許(以下、「先行特許」と記載)とDRによる既承認医薬品の再開発とは医薬品事業の展開上で相互に影響を与える関係にあり、その関係は知財戦略の重要な視点の1つと
2015/10/22 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第5回】
9.医薬品開発における特許取得の目的 新薬開発に要する経費、時間、人材などは非常に膨大であり、また、成功確率が非常に低く、これらの新薬開発に要するコストやリスクを軽減することは、製薬企業にとって極めて重要な課題となっています。一方、新薬の開発促進は国策上の要求ともなっており、継続的な創薬を通して、早
2015/09/24 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第4回】
7.既承認医薬品関連特許の影響 企業が開発製品を市場投入するにあたっては、事業の優位性あるいは継続性を担保するための知財戦略が欠かせません。開発に膨大なコストと長い期間を要する新薬については、知財戦略の重要性はなおさらです。DRにおいては、同一の有効成分を含有する既承認医薬品(あるいは過去に開発対象
2015/08/27 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第3回】
5.医薬品の承認申請への関わり方 医薬品の製造販売承認にあたっては、申請区分ごとに提出資料に基づいて承認審査が行われます1 。医療用医薬品の申請区分は10区分ありますが、既存医薬品のDRによって新たな効能・効果を有する医薬品として再開発された医薬品は、先行する既存医薬品と有効成分が同一、かつ、効能・
2015/07/27 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第2回】
3.特許権の対象範囲とDRとの関わり方 特許権は、新しい技術の発明を特許出願して特許を取得した者がその技術を、一定期間、独占的に使用できる権利ですが、特許された技術の内容によって権利の幅(第三者が特許発明を実施した際に権利行使できる対象となる行為の範囲)が異なります。 特許の対象となる発明は、「物」
2015/06/18 AD その他
ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第1回】
はじめに 創薬の成功確率は極めて低く、医薬品の研究開発には長い時間と多大な費用を要しています。このため、製薬企業においては、新薬の開発速度、効率を上げるとともに、上市した医薬品の薬価を維持し、製品寿命を長く保つためにライフサイクルマネジメント(LCM)を行うことが経営の重要な柱となっています。また、
2013/08/12 AD その他
医薬品製造事業関連の知財戦略【第13回(最終回)】
29.特許対象技術とその意義 職務発明の対価を巡り、2003-4年に非常に高額な発明補償金の支払いを求めた訴訟がありました。青色発光ダイオード(LED)の発明対価に関する訴訟で、発明者である中村修二氏(発明当時、日亜化学工業社員)が青色LEDによって多大な収益を挙げた日亜化学工業に対して発明者として
2013/07/19 AD その他
医薬品製造事業関連の知財戦略【第12回】
※本稿は2012年10月執筆です。 米国特許法改正についての詳細な内容は、USPTOのWebサイトに随時アップデートされていますので、そちらでご確認下さい。 http://www.uspto.gov/aia_implementation/index.jsp 27.特許制度の国際調和 昨年(201
2013/06/17 AD その他
医薬品製造事業関連の知財戦略【第11回】
25.知的財産に関する国際調和の変化 前回お話ししました特許取得の基本ルールに関わる条約とは別に、貿易、その他国際的な流通や交流に関わる様々な条約の中でも知的財産に関連した取り決めがあります。中でも、世界貿易機関(WTO)の前身である関税と貿易に関する一般協定(GATT)のウルグアイラウンド(198
2013/05/07 AD その他
医薬品製造事業関連の知財戦略【第10回】
23.医薬品の世界市場と製薬会社の国際活動 2010年における世界の医薬品の総市場は、8500億ドル超、日本円にして60~70兆円に拡大してきています(図15を参照)。このうち、日本市場は950億ドル余、世界総市場に占める割合は11%程度と、10年間に市場は約2倍に拡大しましたが、総市場に占める割合