【必須】米国FDA「データインテグリティとCGMPの遵守」ドラフトガイダンス発出

2016/04/27 製造(GMDP)

※内容を加筆修正(2016/5/9)

■参考ECA記事(2016/4/15:実際は日本時間4/25に掲載→その後、2016/4/27掲載に変更
『New FDA Draft Guidance 'Data Integrity and Compliance with cGMP' published』
http://www.gmp-compliance.org/enews_05311_New-FDA-Draft-Guidance---39-Data-Integrity-and-Compliance-with-cGMP--39--published.html

■解説
近年問題になっているデータインテグリティについては、2015年3月に英国MHRAから有用なガイダンスが発行されておりますが、今回はFDAより、同じくデータインテグリティについてのドラフトガイダンスが発行されました。

今回のガイダンスは包括的な系統だったものというよりは、インド等での問題の多発を考慮して、初歩的な質問を主体としたQ&Aが主な部分となっています。しかしながら主にコンピュータに関するデータの信頼性の問題は、これまで米国CFRパート11やコンピュータバリデーション等の馴染みにくい考えに振り回され、本質的な品質保証の観点からの検討が、なおざりになってきたきらいがあります。今回のガイドラインは基本的な要求事項との対応や、コンピュータバリデーションとプロセスバリデーションの違い等、本来必要であった検討事項が整理されており、十分検討の価値があると思います。また今後パート11の改訂を初めとして、FDAの今後の動きにも注目すべきだと思います。

※“Data Integrity”を「データの完全性」と訳すのは少し大げさな感じがします。“Integrity”は”Perfection” ではありません。“Data Integrity”とは「データに嘘偽りがない」程度の意味になります。従って、ここではそのまま「データインテグリティ」と訳します。

■ドラフトガイダンス原文:Data Integrity and Compliance With CGMP Guidance for Industry
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM495891.pdf

■和訳

執筆者について

山本 久夫

経歴 株式会社シーエムプラス GMP Platformシニアコンサルタント
1974年サッポロビール株式会社入社。ビール製造品質管理に従事後事業多角化のため体外診断薬、制癌剤の開発を行う。サッポロビール株式会社の医薬開発事業撤退に伴い生化学工業株式会社に入社。医薬品開発業務、研究管理、薬事申請業務、品質保証業務に従事後2010年3月退職。デンツプライ三金を経て2012年3月株式会社シーエムプラス入社。国内外規制情報の収集及び解析・翻訳、申請支援等を含めGMPコンサルティングに従事。
研究開発、信頼性保証、申請業務を含めた各国当局対応を通じGMPは科学的な見地からの品質の確立につきる問題であり、医薬品の進歩の足枷になってはいけないということを実感している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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