【重要】EDQMは、WFIのモノグラフを改訂し、非蒸留技術を許容する

2016/04/01 製造(GMDP)

■原文
EDQM adopts revised monograph for WFI allowing non-destillation techniques

■解説
Ph. Eur. Supplement 9.1で発行され、有効となるのは2017年4月である。幾つかの追加的な技術と組み合わせることにより、非蒸留技術によるWFIが許容されることになる。

EPの注射用水のモノグラフが蒸留法以外の製造法を認めると表明していたが、その時期については明言していなかった。本記事は、EPの次のバージョン9で改訂され、2017年4月に有効となるということが発信された、という記事である。
この問題は一部で重要視されているが、多くの製薬企業にとっては直接的な影響はあまりないと考えられる。なぜなら殆どの場合、JP、USPに適合していれば、EUにおいても許容されるのは明らかであるからである。
EDQM自身は、EP適合が必須とされる血液ろ過および血液透析ろ過用水に関する要求に応えるために改訂が必要であるとしている。この問題はむしろEDQMが過去20年間、大手製薬企業が蒸留法と同程度以上の品質の注射用水を提供してきたことを認めつつ、なぜこれまで改訂してこなかったかという点に注目すべき思われる。原水の水質、製造規模、付帯的な手法等が品質の維持に寄与してきたと考えられてきており、非蒸留法を認めるにあって、どういう付帯的条件を要求するか、に関係するからである。
(解説追記に伴う加筆修正:2016/4/5)


※GMP Platform関連記事(参考)
2016年4月1日
『EDQM/超ろ過法水が注射用水として使用可能に』
http://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=836

執筆者について

山本 久夫

経歴 株式会社シーエムプラス GMP Platformシニアコンサルタント
1974年サッポロビール株式会社入社。ビール製造品質管理に従事後事業多角化のため体外診断薬、制癌剤の開発を行う。サッポロビール株式会社の医薬開発事業撤退に伴い生化学工業株式会社に入社。医薬品開発業務、研究管理、薬事申請業務、品質保証業務に従事後2010年3月退職。デンツプライ三金を経て2012年3月株式会社シーエムプラス入社。国内外規制情報の収集及び解析・翻訳、申請支援等を含めGMPコンサルティングに従事。
研究開発、信頼性保証、申請業務を含めた各国当局対応を通じGMPは科学的な見地からの品質の確立につきる問題であり、医薬品の進歩の足枷になってはいけないということを実感している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年9月10日 (水) ~ 9月12日 (金)

GMP Auditor育成プログラム第20期

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます