【第17回】デジタルヘルスで切り拓く未来

「SFプロトタイピングで未来を描こう」


●要旨
 未来を知りたい人は多いでしょう。未来的なS F映画や万国博覧会など、ビジョンに触れる機会がありますが、なぜそう思うのか、深く考察することも大切です。未来を描くにあたり、S Fプロトタイピングの手法は参考になります。変だと批判されるより、変革の人が導くものは大きい意味を持つでしょう。ぶっ飛んだ設定をして、本質を見つめるデザイン手法としても大切なものです。未来に向かうビジョンの動きをまずは見つめておきましょう。

●はじめに 未来を知りたいか、作りたいか
 皆様にとって、未来がやってきたと思う時はどんな時でしょうか。筆者にとっては、スマートホンで単に通信ができるだけでなく、カメラはもちろん、支払いや音楽活動など多様なことができるようになり、海外からの人とのコミュニケーションにも役立つ時に感じました。
 一方で、未来を知りたいと思う時はありませんか。知ることができたら、うまく動けるのに。不安がなくなるのに。もっと良い選択ができるのに。そう考えてしまいませんか。実は、未来は作ることもできます。一方で、不都合を知ることもある中でどう行動しますか。

<図表> S Fプロトタイピングで描く未来

1 S Fプロトタイピングの果たす役割
 S F映画は好きですか。筆者は、映画『未知との遭遇』からいろんな作品を観てきました。中高生の頃は、観たことのないものへのワクワク感でいっぱいでしたが、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTF)』で、ダークな世界が描かれていたことも印象に残っています。こうした描く力にはとても大きな力があります。
 デザインはメッセージであり、描く力ともいえます。未来を描く力にもなります。こんな未来がやってくると、小学生時代に模造紙に何か描いたことはありませんか。また、『国際博覧会(万国博覧会)』は、未来のビジョンを見せ、世の中で共有し、夢を描く、理解を深める、歩みを進める大事な機会です。
 ビジョンは誰が描いているのでしょうか。ビジョンが描かれていれば、そこに向かっていくこともできるし、意見も持てるようになります。バックキャストアプローチ も可能です。この根本を描くのは誰かと考えていたときに、SFプロトタイピングを知りました。SFプロトタイピングを知るのに、書籍『古びた未来をどう壊す?世界を書き換える「ストーリー」のつくり方とつかい方』をお勧めします。とにかくユニークな仮説が出てきます。それをもとにいろんな肉付けをしながら仕立てていきます。関連ワークショップなどでは短時間でストーリーを作り上げますから、ある種のラピッドプロトタイピングともいえます。
 もう一度、S F映画を思い浮かべてください。そこに何がありましたか。どんな暮らしでしたか。医療、健康、福祉はどうでしたか。ダークな世界の描かれ方もあった一方で、憧れるものがありました。筆者が大好きなのは、映画『E.T.』が指で怪我を治し、植物を甦らせるシーンです。どんな原理なのか深く考えると、健康のためのヒントが見えてきます。こうして、脳内SFプロトタイピングごとく目の当たりにした映像は、私たちの頭の中に入ってきます。

 

 

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