経歴 個人コンサルタント(専門:固形製剤技術、レギュラトリー・サイエンス) 1970年山之内製薬(現アステラス製薬)入社。その後、生産技術研究所、製剤技術研究所勤務を経て2002年製剤技術研究所長。この間、生産技術、処方・製法開発、海外への技術導出、等を担当。2007年退社。 2008年東和薬品に顧問として入社。山形新工場の建設に係る。2013年退社。 業界活動としては、ISPE日本本部、理事、副会長、会長(2006-2007)を歴任。日本薬剤学会より製剤の達人の称号を受ける。
2014/02/24 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第7回(最終回)】
はじめに これまで6回にわたって固形製剤のスケールアップについて話を進めてきたが、今回が最終回ということで、連続生産方式におけるスケールアップについて述べてみたい。 バッチ生産とは違って、連続生産はもともとスケールアップが必要のない生産システムとして現在非常に注目されている。バッチ生産で行われて
2013/12/24 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第6回】
はじめに フィルムコーティングの目的には大きく分けて2つある。一つは単なるマスキングで、その主なものは苦味マスキングである。もう一つは機能性を持たせるためのコーティング、すなわち、薬物放出を制御するためのもので、腸溶性や徐放性のコーティングである。 このうち、前者は比較的容易に行うことができ、原薬の
2013/11/11 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第5回】
はじめに 微粒子コーティングは最近の固形製剤では注目の技術である。微粒子コーティングは放出制御やマスキングのために多用される。放出制御技術は製剤の徐放化やターゲティングに必須の技術である。放出制御製剤はシングルユニットよりマルチプルユニットの方が圧倒的にリスクが小さく有利であり、そのマルチプルユニッ
2013/10/21 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第4回】
はじめに 固形製剤の製造プロセスで混合はいろんなステップでよく行われる。この中で重要な混合は、製剤均一性を保証するための混合である。すなわち、錠剤やハードカプセルの製造プロセスであれば打錠あるいは充填前の混合および滑沢混合であり、散剤であれば文字通り最終の混合である。一方で、例えば造粒前の予備混合な
2013/09/24 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第3回】
はじめに 流動層造粒は、被造粒物である粉体を下方から送る風で舞い上がらせ、これに結合剤溶液をスプレーして粉体同士を結合させ、粒子を成長させる造粒法である。その特徴はいろいろあるが、まず被造粒物を流動させた状態で加工するため、出来上がる造粒物は嵩密度が低く、流動性がよい。またその結果として圧縮特性に優
2013/08/26 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第2回】
はじめに 攪拌造粒の特徴は、高速で回転する主羽根(攪拌羽根、インペラー)と器壁とのせん断力によって練合を進め、副羽根(解砕羽根、チョッパー)によって練合物を粗砕して目的の粒度を得ようとする設備である。もともとはニーダーなどの練合機で練合したものをフィッツミルのような湿式破砕機で粒を得る方法を一つの設
2013/06/24 AD 製剤
固形製剤のスケールアップ【第1回】
はじめに 固形製剤を担当する者にとってスケールアップは厄介な問題である。スケールアップで失敗した経験を持っておられる方は少なくないであろう。なぜそれほどまでに固形製剤のスケールアップが難しいか?理由はいろいろあるが、もっとも大きな理由は、固形製剤が多成分系を取り扱うという、持って生まれた宿命のためで