固形製剤のスケールアップ【第4回】

はじめに
 固形製剤の製造プロセスで混合はいろんなステップでよく行われる。この中で重要な混合は、製剤均一性を保証するための混合である。すなわち、錠剤やハードカプセルの製造プロセスであれば打錠あるいは充填前の混合および滑沢混合であり、散剤であれば文字通り最終の混合である。一方で、例えば造粒前の予備混合などは製剤均一性という観点ではそれほどの重要度を持っていないので、今回の話の中では割愛する。
 混合をその設備の面から大きく2つに分けると、まず容器に被混合物を入れ、これを回転させて混合する、いわゆる拡散式混合機と固定容器に被混合物を入れ、攪拌羽根を回転させて内容物を混合する、いわゆる対流式混合機とがある。混合は、拡散、対流、分散などのメカニズムによって進んでいくが、この拡散式とか対流式という表現はあくまでもその混合機においてどのような要素が主体的かによって呼んでいるだけで、拡散式混合機で対流がおきないとか、対流式混合機で拡散がないというものではない。
この他に、SUPAC: Manufacturing Equipment Addendumでは空気流動混合機が例として挙げられているものの、実際にはほとんど用いられていないので、今回は上記2つについて話を進めたいと思う。

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