FDA「Request for Quality Metrics(Draft)」【解説・対訳】

2015/09/10 製造(GMDP)

近年FDAが提案しておりますクオリティーメトリックスは、現在企業で実施している品質管理の指標を当局が把握することによって、リスクに基づく査察の効率化を図ろうという考え方といって良いと思います。
 
レギュレーション上は、米国外企業は対象外ですが、本文中にもありますようにリスクの評価に基づく判断ということになりますと、結局リスクが高いとFDAが判断した場合、査察頻度が増えることは規制対象の有無に関わらず同様で、米国に輸出している場合、これはあまり意味をなさないといえます。
 
21世紀イニシアチブから始まり、FDA自身の監督方法も進歩しているということは、FDA自身の主張することでありますが、企業側においてもリスクマネジメントに基づく品質システムを確立していることをアピールすることが必要であろうと思います。
 
今回に始まったことではありませんが、ガイドラインの文言に一喜一憂することなく、その背景、考え方を理解することが重要でありますが、その意味で今回全文の翻訳は参考になるものと存じます。
 
また、法的根拠が随所に出てきますが、基本的には企業と協同して信頼関係を築くことにより査察のリソースをカバーしようということにあると思いますので、当局には逆らえないという感覚を捨て、協力を前提として意見を発信することも必要と思います。
 
 

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執筆者について

山本 久夫

経歴 株式会社シーエムプラス GMP Platformシニアコンサルタント
1974年サッポロビール株式会社入社。ビール製造品質管理に従事後事業多角化のため体外診断薬、制癌剤の開発を行う。サッポロビール株式会社の医薬開発事業撤退に伴い生化学工業株式会社に入社。医薬品開発業務、研究管理、薬事申請業務、品質保証業務に従事後2010年3月退職。デンツプライ三金を経て2012年3月株式会社シーエムプラス入社。国内外規制情報の収集及び解析・翻訳、申請支援等を含めGMPコンサルティングに従事。
研究開発、信頼性保証、申請業務を含めた各国当局対応を通じGMPは科学的な見地からの品質の確立につきる問題であり、医薬品の進歩の足枷になってはいけないということを実感している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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