経歴 コンサルタント(滅菌、微生物管理、放射線改質) 元日本電子照射サービス(株) つくばセンター 技術担当部長 1955年生、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社にて医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品の開発(微生物関連、試験開発及びEOG滅菌バリデーション)、品質保証、薬事業務に従事し、2001年より日本電子照射サービス株式会社にて、電子線による改質、滅菌技術の研究開発、及び医薬品、医療機器等の電子線滅菌導入に係る滅菌条件設定、微生物、理化学受託試験を担当、2015年退職後、コンサルタント業(滅菌、微生物管理、放射線改質)開始、現在に至る。 元ISO TC198 WG8国内検討委員、 元ISO TC85 WG3 国内検討委員、元各JIS化検討委員、日本防菌防黴学会、高分子学会会員。
2016/04/01 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第9回・最終回】
滅菌バリデーション基準やISO各滅菌規格、ガイドラインなどが標準化され、放射線滅菌バリデーションは比較的容易に実施できるようになりました。ただ、実際に滅菌バリデーションを実施すると、滅菌工程開発、滅菌条件設定、最大許容線量設定、バイオバーデン測定などで多くの問題が発生します。経験があればすぐに対
2016/02/25 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第8回】
医薬品や医療機器の製造環境は、微生物や異物の混入による品質を損なうことのないよう適切な管理が必要です。日本薬局方第16改正、第一追補には、無菌医薬品製造区域の環境モニタリング法が規定されています。製造環境によって無菌性保証を行う無菌操作法や最終滅菌法を行う製品の場合であっても、製品の無菌性保証の観
2016/01/27 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第7回】
滅菌の目的は、医薬品や医療機器などのバイオバーデンを死滅させ、患者等が感染等の不利益を被ることを防ぐことにあります。そのためには、バイオバーデンを理解し、安定した管理を行うことが必要です。それでは、バイオバーデンを安定化するためには何を行えばよいでしょうか。本稿ではバイオバーデンとは何なのか、また
2015/12/16 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第6回】
滅菌の目的は、GMP要求の一つである患者等が微生物汚染による感染等の不利益を被ることを防ぐことにあり、医薬品や医療機器製品を無菌化するためには、製品に付着したバイオバーデンを全て死滅または除去する必要があります。それでは、製品の無菌性保証をより確実なものにするためには何を行えばよいでしょうか。本稿
2015/11/12 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第5回】
放射線の殺菌効果を利用し、放射線を製品に照射して製品の無菌化を行うことを放射線滅菌と呼んでいます。放射線による殺菌効果は1930年にWyscoffらが大腸菌に対する作用を報告しています。1)そして、約50年経過した1980年代に放射線滅菌設備の研究が進み、放射線滅菌の本格的な実用化が始まりました。
2015/10/22 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第4回】
現在、放射線滅菌は線源としてガンマ線、及び電子線が利用されています。どちらも電離放射線といって、照射された物質を励起、イオン化する作用があります。その作用によって殺菌効果が生じているのですが、同時に製品の材質へ影響を与える場合があります。ただ、現在の技術では全く問題が発生せず、全ての製品に利用でき
2015/09/17 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第3回】
国内において、放射線滅菌は多くの医療機器で実施されるようになりましたが、無菌医薬品ではまだ事例が少ない状態です。その原因は、放射線が製品に与えるいくつかの影響が大きいと思うのですが、海外では放射線による滅菌の必要性から多くの事例が報告されています。数十年前、医療機器では、放射線による影響のある材料
2015/08/27 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第2回】
滅菌は、「製品及び包装に付着した全ての微生物を殺滅または除去すること」と定義されています。 ところが、無菌性の保証は微生物の生残確率が10-6(100万分の1)となっていて、全て(ゼロ)ではありません。矛盾しているようですが、この理由は微生物の死滅速度と生菌数の関係を数学的に取り扱った滅菌理論によ
2015/07/27 AD 製剤
医薬品,医療機器滅菌の新しいトレンド“放射線滅菌”【第1回】
はじめに GMP 3原則のひとつに「医薬品に対する汚染および品質低下を防止する。」があります。この原則を実現するためには製品の微生物汚染を防止する必要があり、その方法の1つが滅菌です。すなわち、滅菌の目的は製品及び包装材料に付着している微生物(バイオバーデン)を殺滅または除去し、バイオバーデンによっ