エッセイ:エイジング話【第63回】

再び自粛

 自民党派閥内の政治資金をめぐる問題を受け岸田総理大臣は、「派閥の政治資金パーティを当面は自粛するよう指示した。」と2023年12月7日に報道がありました。政治資金パーティの金銭授与是非を問いませんが、身の回りに起こった自粛について考えます。
 エイジング話第35回でノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎氏が日本に帰らない理由を、「私は調和の中で暮らすことはできないものですから」と述べられました。 
 真鍋先生の言葉から広い意味で団体の一員として暮らすに、飛び抜けた杭に成らない対応が要ると自粛へ理解を深めました。ただ自粛からは、大谷さんの二刀流やイチローさんの振り子打法は生まれ無かったでしょう。
 あの落合博満氏もコーチの指導を受け入れ俺流(おれりゅう)を自粛していたら、三度の三冠王は生まれなかったでしょう。既存概念からの逸脱は自粛と逆方向のようです。
 COVID-19(コヴィッドナインティーン)が広まった2020年初夏から2022年秋にかけ、競技場・遊戯場・飲食店など人が集う施設への来場を控える通達、当初は感染が急激に広まった那覇など大都市圏だったのが、続いて地方の自治体からも自粛要請が出たこと記憶に新しいところです。
 英国は、都市間のロックダウンを行政サイドが要請しました。一方で中国政府は、ゼロコロナ政策として強制的な都市間封鎖を行い、人が移動することを全面禁止しました。
 しかも、WHOの調査団がCOVID-19発生源と疑われる地域へ立ち入ろうとした時に、封鎖を掲げ査察来場を拒否しました。もし日本だったら、WHO自粛要請をしたのではないかと考えてしまいます。
 人類の健康を司ることが、設置目的である世界機関WHOの関係者が感染の再発防止を目的として、隠蔽される前に立ち入ることを拒否する団体が地球上に存在することへ違和感どころか驚愕しました。
 これまで長く、WHO・GMPをバイブルとし、COVID-19感染を防止する目的にも使われたワクチン成分であるWFI製造を職とした者として、憤りのないやるせない気持ちを持ちました。

 

 

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