医薬品工場建設のノウハウ -プロジェクトの成功に向けて-【第3章-3】

2016/04/28 施設・設備・エンジニアリング

町田 進

プロジェクトを成功に導くための手順について、ユーザー(製薬会社)の視点で紹介する。

【第3章】プロジェクト基本計画(3)

監修:中尾 明夫河須崎 勝美田中 信夫
執筆:町田 進

 

平面計画案の検討
(1)平面計画案の作成

 プロセスブロックフローを基に、製造室機能関連図を作成し、必要な製造室を特定し、また各製造室間の関連検討を行い、平面計画案を作成する。


図7 製造室機能関連図


 製造室機能関連図は作成されない場合もあるが、その場合でも、以下の項目の整理が必要である。

機能関連図の検討項目
1) 搬入される原材料、中間体、資材等の移動方法はどのような方法であるか。台車等で搬出入される場合は、パスルーム経由による清拭や除染が必要か。
2) ブロックフローに示されたゾーニングの考え方が、更衣室やパスルーム、エアーロック配置と一致しているか。
3) 複数品目を同時製造する場合、製造切替が行えるか。また共通廊下や更衣室においてクロスコンタミネーションの懸念がないか。
4) 秤量室については、主薬と賦形剤等で、区分する必要がないか。
5) 洗浄室、洗浄後の乾燥室の配置が適切か。特に複数品目を製造する場合、洗浄室や乾燥室でのクロスコンタミネーションがないか。


 製造室機能関連図をもとに、敷地の与条件を加え、大まかな階層計画を立て(何階建か、敷地に配置できるか検討の上)平面計画案を作成することになる。
 平面計画案作成には、プロセスブロックフローに加えて、ブロックフローに示された各工程に必要な主要機器の概略サイズ、機器重量をまとめた主要機器リストのインプットが必要となる。

 平面計画では、将来スペースや敷地内での配置等の項目に加えて、当然ながら、動線検討やゾーニング検討といったGMPの要求を盛り込む必要がある。平面計画案の一般的な作成手法は次の通りである。




図8 平面計画案の作成手法(インプット情報と展開)

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執筆者について

町田 進

経歴 株式会社シーエムプラス 副社長。
2010年株式会社シーエムプラスに入社後、プロセス要件を展開し、建築やMESシステム、バリデーション等へのフロントエンジ段階での設計条件トランスファを行う業務を担当。主要な業務例は、
1)バイオ原薬の基本設計から施工/バリデーション確認
2)高活性合成原薬基本計画策定
3)固形製剤の搬出入トラフィック改善のための基本計画
4)高活性固形製剤の基本計画立案
5)再生医療のSOP作成
6)原薬のMESシステム計画立案
等が挙げられ、全てプロジェクトマネージャーとして担当した。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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