WHO Technical Report Series 992 Annex 4:保持時間(ホールド・タイム)の検討に関するガイドライン
WHO(世界保健機関)技術レポートシリーズ992-49のアネックス4としてGeneral guidance on hold-time studies-保持時間の検討に関するガイドラインが発表された。
WHOの技術レポートは原則としては規制としての強制力はないが、EU、PIC/Sとは繋がりが深く、GMPの要求事項を満たすための詳細な教科書として有用性が高い。今回はあまり他にみないホールドタイムの検討についてのガイドラインであり、参考にして頂きたい。
GMPにおいては、「原材料や包装材料、中間製品、バルクおよび完成した製品を適切な条件下で保存する」必要がある。本ガイドラインは、その保持時間の検討において、考慮すべき点について論じている。
具体的には、以下の点について言及している。
- リスクベースで保持時間の検討
- 保持時間を決めるタイミング
- 保持時間の検討を要する対象ステージの抽出
- 各ステージで実施すべき試験項目とそのタイミング
- 文書化されたプロトコル・手順、及び規定された規格値
- 試験法・分析法
- 試験に使用するロット数
- 容器の上部区間(ヘッドスペース)
- 対象最終製品ロットの長期安定性試験
本ガイドラインは、コーティング錠剤を例として取り上げ、主に非無菌固形製剤を対象としているが、説明した内容の多くは液剤・クリーム・軟膏剤の様な他の剤形にも適用される。ただし、洗浄バリデーション・原薬または生物学的製剤に関してはカバーされていない。
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