必携 医薬品の適正流通 (GDP) ガイドライン入門 ~基本と実践がよくわかるGDPガイドライン解説~

レギュレーション

【発刊】株式会社シーエムプラス
【著者】小山 靖人
【版型】B5版

【発刊日】2023年10月31日
【ページ数】225
【定価】¥25000(税抜)

本書ではご質問にお答えできるように、厚生労働省のGDP 研究班の活動で得た知見とGDP 監査等の製薬企業での実務経験をもとに、GDP及びGDPガイドラインの要点を解説してゆく。さらにGDPガイドラインをどのように実践してゆけばよいのかという課題も論じる。
個々の記述に関しては、現状に即していない、理想論だ、と感じられるところもあろうかと思うが、現状に即してばかりおれば、GDP ガイドラインが求める品質水準は達成できない。従って、GDP及GDP ガイドラインのあるべき姿を目指すために、本書ではできるだけ原理原則に基いた考察と解説を心掛けた。現時点で達成できなくとも、向かうべき目標を示し、現実化を図ることが業界に求められていると考えるからである。

本書はGDP ガイドラインの個々の条文を解説する、いわゆる逐条解説を意図していない。そうではなく、GDP 及びGDP ガイドラインについて、これだけは知っておいていただきたいという重要事項に焦点を絞って解説している。さらに、GDP及びGDPガイドラインについて単なるHow-to と言うよりも、考え方(What、Why) を重点的に、かつ具体的にご説明することで、GDP に関連する業務に取り組もうとされる皆様のご理解と流通現場での実践のお役に立ちたいと願っている。
 

目次

第1章 GDP の概要
 1.GDP とGMP 
 2.GDP の目的
   2.1 流通過程における品質の確保 
   2.2 流通過程の適正管理 
   2.3 偽造医薬品の正規流通過程への侵入防止
 3.GDP の適用範囲の概要 
 4.医薬品のライフサイクルとGDP 
 5.GDP の必要性 
 コラム1 業界のGDP ガイドラインへの取り組み状況 

第2章 GDP ガイドライン運用上の法的な注意点と海外GDP の動向
 1.GDP ガイドラインと関係法令との関係性 
 2.GDP ガイドラインの省令化は?
 3.海外のGDP 発出状況
 コラム2-1 日本医薬品卸売業連合会のJGSP
 コラム2-2 GDP の公的な認証制度とCEIVE Pharma 

第3章 GDP ガイドライン制定の経緯、並びにGDP ガイドラインの対象と適用範囲
 1.わが国のGDP ガイドライン制定の経緯 
 2.GDP ガイドラインの構成 
 3.GDP ガイドラインの対象 
 4.GDP ガイドラインの適用範囲 
 5.輸出医薬品と輸入原料のGDP 
   5.1 輸出医薬品( 中間製品( 製剤バルク) を含む) の輸送 
   5.2 原料の輸送 
 コラム3 GMP における原料の管理とGDP ~ GMP 省令とPIC/S-GMP 

第4章 GDP ガイドライン第1 章<品質マネジメント> ( その1)
 1.品質システムとISO9001 
 2.製品の品質とは? ~車の両輪のように
 3.花瓶職人さんの仕事と品質システムの例 
 4.上級経営陣の責任 
 5.GDP は金がかかる? ~経営陣の責任のあり方
 6.マネジメントレビュー 
 7.流通QA 機能の必要性
 コラム 4-1 GDP ガイドラインの優先条項? 
 コラム 4-2 海外当局のGDP 査察例から ~品質システム重視の査察 

第5章 GDP ガイドライン第1 章<品質マネジメント> ( その2)
 1.変更管理の考え方 
 2.変更管理の経験から
   2.1 倉庫改造の事例 
   2.2 輸送ルート変更の事例 
 3.逸脱管理の考え方 
 4.重大な逸脱とは?
 5.逸脱管理の事例 
 6.CAPA 
 コラム 5-1 ヒューマンエラーについて 
 コラム 5-2 定められた基準と手順からの逸脱と変更 

第6章 GDP ガイドライン第2 章<職員>
 1.任命された責任者 
 2.教育訓練 
 コラム 6 

第7章 GDP ガイドライン第3 章<施設および機器> ( その1)
 1.医薬品の温度管理
 2.温度逸脱時の対応 
 3.スタビリティ・バジェット 
 4.GDP ガイドラインにおける保管施設・設備の温度管理実施の要件
   4.1 温度マッピング 
   4.2 温度モニタリング 
 5.新設倉庫の立ち上げ手順 
 6.倉庫管理のポイント 
   6.1 一時保管 
   6.2 区分保管 
   6.3 セキュリティ管理 
 コラム 7 湿度管理について

第8章 GDP ガイドライン第3 章<施設および機器> ( その2)
 1.バリデーション実施の意味
 2.バリデーションの流れ 
   2.1 URS 
   2.2 DQ、IQ、OQ 
   2.3 性能評価検討とPQ 
   2.4 PV( 参考) 
 3.バリデーションの原則 
 コラム 8 コンピュータ化システムのバリデーション 

第9章 GDP ガイドライン第4 章<文書化>
 1.GDP の文書主義 
 2.文書主義の要点 
 3.GDP 文書の役割を果たすためには 
 4.日常的な文書記録の注意点 
   4.1 誤記訂正と空欄処理
   4.2 印鑑の管理 
 コラム 9-1 SOP 遵守に関する筆者の20 年以上前の経験から 
 コラム 9-2 署名についての思い出 

第10 章 GDP ガイドライン第5 章<業務の実施( オペレーション) >
             第6章<苦情、返品、偽造の疑いのある医薬品及び回収>
 1.仕入先と販売先の適格性評価 
 2.偽造医薬品の正規流通経路への混入防止
 3.医薬品の苦情 
 4.医薬品の回収 
 5.返品 
 コラム 10 模擬回収の失敗例 

第11 章 GDP ガイドライン第7 章<外部委託業務> 第8章<自己点検>
 3PL における業務委託先管理の課題とは?
 1.3PL における業務委託先管理の課題 
 2.品質取決め 
 3.監査 
 4.自己点検 
 コラム 11-1 新型コロナ・ワクチンの流通と再委託問題 
 コラム 11-2 卸売販売業者の自己点検 

第12 章 GDP ガイドライン第9 章<輸送> ( その1)
 1.輸送過程の温度管理の考え方 
   1.1 温度管理の基本 
   1.2 輸送車両の温度マッピング 
 2.輸送車両における温度管理の課題 
   2.1 保冷車両における温度マッピング 
   2.2 常温車両における温度モニタリング 
   2.3 常温車両における温度逸脱回避の対応例 
   2.4 温度逸脱時の対応 
 コラム12-1 輸送と配送 
 コラム12-2 流通業界の2024 年問題 
 コラム12-3  輸送車両の温度マッピングとモニタリング~日薬連編のGDP 解説書への疑義 

第13 章 GDP ガイドライン第9 章<輸送> ( その2)
 1.リスクマネジメントの考え方 
 2.輸送のリスクマネジメント 
 3.輸送試験と輸送のシミュレーション試験 
 コラム 13 新型コロナウイルス・ワクチンの輸送試験と振動の品質影響について 

第14 章 GDP ガイドラインの社会実装に向けて
 1.GDP ガイドラインの実施状況
   1.1 実施状況の調査結果
   1.2 実施が不十分な条項 
 2.GDP ガイドラインの実践について 
 3.GDP ガイドラインと流通実態のギャップ分析 
 コラム 14 GDP ガイドラインの実施状況( 追加情報) 

第15 章 一般用医薬品(OTC) 流通における
 1.医療用医薬品の流通と比較したOTC 流通の特徴 
 2.物流経路 ~多岐にわたる納品先の課題 
 3.混載の課題 
 4.温度管理の課題 
 コラム 15 OTC のネット販売とGDP ガイドライン 

第16 章 おわりに、そして医薬品流通の共同化、ならびにGDPガイドライン運用のメッセージ
 おわりに 
 1.医薬品流通の共同化 
 2.GDP ガイドライン運用のメッセージ 
 コラム 16 医薬品流通の共同化に関する最近の事例から 
 添付資料 1 医薬品GDP ガイドライン 
 添付資料 2 厚生労働科学研究のGDP ガイドライン質疑応答集 
 

 

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