私が経験したGMP、(@独り言)【第8回】
歴史を残す@変更管理 ― いつか・・のために ―
いろいろな研究機関で新しい化合物が創り出され、健康に良い機能があるか、特定の疾病の治療に効果はあるかなどを試し、開発が行われている。その化合物が医薬品になるためには、様々なデータをとり、医薬品等の製造販売承認申請を行い、国に認められなければならない。これには大変多くの手間と費用が掛かる。
これがレストランのメニュー開発であれば、新しい材料と味付けでレシピを考案し、まずは新メニューとして顧客に提供し、その意見や反応をみて改良し、評判が良ければ継続定番メニューに、評判が悪ければすぐにやめてしまうという取捨選択をおこなうことができる。家庭で調理するおかずなら、隠し味の調味料を足してみて、ひと手間かけて工夫して、晩のおかずに出してみたら家族の評判もなかなか良く、皆で美味しくいただけたなら、我が家のレシピとして採用し、時々献立に登場させるようになるだろう。
医薬品では、改良改善のためとはいえ、このようなチョイ足し・工夫を簡単には実現できない。成分分量や原料、製造方法、規格など製造販売承認書に記載されている内容を変えるには、国に対して一部変更承認申請などの申請をする必要がでてくる。承認された成分分量以外のものを加えることによって発生するリスクや様々な影響を見据えてデータを取得し、この変更がユーザーである患者さんに悪い影響を及ぼすことはないか、今までと同じように効能や効果が維持されるかなど、審査を受け、承認されなければ「レシピ」は変えられない。
とにかく製造販売承認書の変更申請も含めて、医薬品品質システムを運用し、変更管理あるいは変更マネジメントによって、変更したい内容の品質への影響を評価検討し、実施した変更について記録を残すことになる。さまざまな変更の内容によって、ここで紹介した流れに沿わない場合もあり、これがすべてではないけれども、変更管理の流れは、概ね次のようになるだろうと思う。
※1 計画の立案部署が報告をまとめる。長くかかるものは中間的な報告を行うこともある。
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