医薬品製造設備の基本、計画、設計、建設プロジェクトを学ぶ【第6回】
5)調達(工程表ID 88~127)
5.1 早期発注分機器
長納期機器の発注は、契約と同時に発注用の図書(スケルトン、製作仕様書、調達仕様書)を準備して、契約から1週間後には引き合いを開始、2週間後には発注するように計画しました。引き合いから発注までを2週間でこなすのは、かなり難しいと思われますが、事前にメーカの候補や、価格などの調整等を行っておき、協力関係を築いていれば出来ないことではないと思います。本ケースのように納期が1年もかかる場合は、こうした事前の準備が大切です。メーカへの発注が済めば、L / Dや組み立て図の入手などのERDを管理して順守させることが次の留意点となります。メーカによっては、こうしたエンジニアリングのニーズに対してタイムリ-対応することが苦手の会社もあります。
特に、はじめて取引を行う協力会社の場合は、お互いに仕事の進め方に慣れていないため配慮が必要で、プロジェクト並びに機器設計担当者が、必要に応じて支援することも考えておく必要があります。
5.2 機器
通常、塔・槽・熱交換器の納期は、5か月~8か月、ポンプについては、3~6カ月程度でしょう。コンプレッサーやパッケージ機器はさらに長く、6~10か月くらい必要となります。
ここで、注意しなければならないことは、メーカの製作にも設計期間があり、メーカの承認図に対して仕様を変更することで、メーカの設計が変更となると、当然納期に影響してきます。メーカ側もこの点に留意して、製作図面が確定後何カ月、と納期を提示してくることもあります。メーカにおける機器製作の途中、必要に応じて中間検査を実施します。通常は、専門の検査員を派遣し、専門的な立場から検査を実施します。検査については、発注・契約の後、検査の要領について、協力会社とコントラクタで会議を開催し、検査の日程、検査項目、参加者等について、あらかじめ打ち合わせておきます。
検査には顧客も参加します。機器メーカの工場における検査は非常に重要で、不具合が発見され、納入前に不具合を事前に解消できた例が多くあります。
これらの不具合が建設現場に持ち込まれた場合、工事工程を予定通り終えることはできません。工場製作の段階で、不具合を発見し処理しておかなければ、工事の成功は望めないのです。メーカの製作工程が順調に進行しているかどうかをモニタリングすることも、工程管理として必要です。方法は、定期的に電話その他の通信手段により工場製作の状況を確認することから、直接工場を訪問することまでありますが、対象機器の重要度、緊急性、対象工場の信頼性などを総合的に判断して決めることになります。
5.3 晶析槽・粉砕機
本プロジェクトでは、これらの納期を8カ月と設定しました。結果として、全体工程表に見るように、早期発注の長納期機器よりも約1.5カ月早く、建設現場へ納入できます。
つまり、全体工程からは、晶析・粉砕実験から、設計、調達、製作、現場納入までの
工程は、長納期機器の工程の期間内に収まって、さらに、1.5カ月現場での据え付けに余裕が出来たことになります。一方、こうした納期を建設現場からの視点で考えると、工事を予定通り順調に進めるためには、工事計画で予定した日時に据え付けることが重要です。つまり、機器の建設現場への納入は、現場への機器の搬入日を指定して、この日に納入することが必須条件です。国内では、メーカから前日の夕刻トラックで発送し、当日の朝現場に到着するようにすることが多いようです。エンジニアリングでは、この日をCRD(*1)と呼んで、プロジェクトの中で、重要なマイルストーンとして管理しています。なお、工場からの発送日を、建設の都合で変更したような場合、工場での保管に費用がかかることが多いため、注意が必要です。
(*1)Construction Required Date
5.1 早期発注分機器
長納期機器の発注は、契約と同時に発注用の図書(スケルトン、製作仕様書、調達仕様書)を準備して、契約から1週間後には引き合いを開始、2週間後には発注するように計画しました。引き合いから発注までを2週間でこなすのは、かなり難しいと思われますが、事前にメーカの候補や、価格などの調整等を行っておき、協力関係を築いていれば出来ないことではないと思います。本ケースのように納期が1年もかかる場合は、こうした事前の準備が大切です。メーカへの発注が済めば、L / Dや組み立て図の入手などのERDを管理して順守させることが次の留意点となります。メーカによっては、こうしたエンジニアリングのニーズに対してタイムリ-対応することが苦手の会社もあります。
特に、はじめて取引を行う協力会社の場合は、お互いに仕事の進め方に慣れていないため配慮が必要で、プロジェクト並びに機器設計担当者が、必要に応じて支援することも考えておく必要があります。
5.2 機器
通常、塔・槽・熱交換器の納期は、5か月~8か月、ポンプについては、3~6カ月程度でしょう。コンプレッサーやパッケージ機器はさらに長く、6~10か月くらい必要となります。
ここで、注意しなければならないことは、メーカの製作にも設計期間があり、メーカの承認図に対して仕様を変更することで、メーカの設計が変更となると、当然納期に影響してきます。メーカ側もこの点に留意して、製作図面が確定後何カ月、と納期を提示してくることもあります。メーカにおける機器製作の途中、必要に応じて中間検査を実施します。通常は、専門の検査員を派遣し、専門的な立場から検査を実施します。検査については、発注・契約の後、検査の要領について、協力会社とコントラクタで会議を開催し、検査の日程、検査項目、参加者等について、あらかじめ打ち合わせておきます。
検査には顧客も参加します。機器メーカの工場における検査は非常に重要で、不具合が発見され、納入前に不具合を事前に解消できた例が多くあります。
これらの不具合が建設現場に持ち込まれた場合、工事工程を予定通り終えることはできません。工場製作の段階で、不具合を発見し処理しておかなければ、工事の成功は望めないのです。メーカの製作工程が順調に進行しているかどうかをモニタリングすることも、工程管理として必要です。方法は、定期的に電話その他の通信手段により工場製作の状況を確認することから、直接工場を訪問することまでありますが、対象機器の重要度、緊急性、対象工場の信頼性などを総合的に判断して決めることになります。
5.3 晶析槽・粉砕機
本プロジェクトでは、これらの納期を8カ月と設定しました。結果として、全体工程表に見るように、早期発注の長納期機器よりも約1.5カ月早く、建設現場へ納入できます。
つまり、全体工程からは、晶析・粉砕実験から、設計、調達、製作、現場納入までの
工程は、長納期機器の工程の期間内に収まって、さらに、1.5カ月現場での据え付けに余裕が出来たことになります。一方、こうした納期を建設現場からの視点で考えると、工事を予定通り順調に進めるためには、工事計画で予定した日時に据え付けることが重要です。つまり、機器の建設現場への納入は、現場への機器の搬入日を指定して、この日に納入することが必須条件です。国内では、メーカから前日の夕刻トラックで発送し、当日の朝現場に到着するようにすることが多いようです。エンジニアリングでは、この日をCRD(*1)と呼んで、プロジェクトの中で、重要なマイルストーンとして管理しています。なお、工場からの発送日を、建設の都合で変更したような場合、工場での保管に費用がかかることが多いため、注意が必要です。
(*1)Construction Required Date
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