医薬品の外観目視検査における要求品質の明確化のために【第16回】

固形製剤の外観検査

1.固形製剤の外観検査
  固形製剤は、注射剤と異なり(自己注射剤は除く)、調剤薬局や患者さんが直接製剤の外観を
  確認することができる剤形である。
  注射剤同様、多様性があるが、代表的な固形製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤
  トローチ剤等がある。

 1.1 錠剤
   錠剤の特徴は、取り扱いが簡単であること。
   錠剤は、更に、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠に分類される。
   それぞれの特徴を以下に示す。

   ・口腔内崩壊錠:口の中で速やかに溶ける錠剤
   ・チュアブル錠:噛み砕いて飲む錠剤
   ・発泡錠:水中で急速に発泡する錠剤
   ・分散錠:水に入れて、分散させて飲む錠剤
   ・溶解錠:水に溶かして飲む錠剤

 1.2 カプセル剤
   カプセル剤は、薬をカプセルで包んである薬のことである。
   カプセル剤の特徴は、不快な味や臭いを防ぐことができる点である。

   ・硬カプセル剤
   ・軟カプセル剤

 1.3 顆粒剤
   顆粒剤は、粒状に造粒した製剤である。
   顆粒剤の特徴は、散剤と比べ、容器などへの付着性が低いこと。
   適切なコーティングを行なうことで、様々な性質を付与することが可能。

 1.4 散剤
   散剤とは、粉末状の製剤である。
   散剤の特徴は、細かい投与量の調節が可能であること。
   飲み込む力の低い、小さな子どもや老人にも使用可能。

 1.5 トローチ剤
   トローチ剤は、口腔内に適用する製剤である。

2.固形製剤の製造方法の理解
  固形製剤も剤形に多様性があり、多様な剤形に対応する検査方法を構築するだけでなく
  固形製剤の製造方法 (工程) の理解も
  必須である。製造工程を知ることが、不良の発生源の特定につながると考えられる。
  ここでは、錠剤の製造工程の例を示す(図表1)。
 

 

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