経歴 笹嶋グローバルコンサルティング 代表。 約30年間、ライフサイエンス業界一筋に、医療用医薬品の研究開発を皮切りにグローバル診断薬企業、化学企業、グローバル医療機器企業を中心に、近年では国産中堅企業にて活動。事業開発、研究開発、事業再構築を中心に、薬事申請やグローバル臨床開発なども経験。2014年6月より現職。 ライフサイエンス事業全般(医療機器、体外診断薬、創薬支援、細胞培養、再生医療、材料科学、ナノ技術、各種の計測技術、生物材料の物質生産等)における研究開発、事業開発、マーケティングを専門とする。
2016/04/08 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第10回・最終回】
測定対象という視点でみると、ここ数年で核酸領域が大きく取り上げられてきた。それまではタンパク質中心のバイオマーカー測定であったが、いよいよ測定対象の分子種は多様化してきた。核酸といっても、DNAやRNAだけはない、非構造領域の核酸、例えば、miRNAやセルフリーDNAなどが重要な測定対象になりつつ
2016/03/03 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第9回】
既に20世紀の中頃には酵素を使った生理活性物質の定量法が開発されており、また、免疫電気泳動法による疾患関連タンパク質の測定も行われている。当時の測定対象は比較的量的に多いもの(とは言っても、マイクログラムオーダーというスケールではあるが)が主であった。やがて、酵素的に測定する手法は全自動化されるこ
2016/02/04 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第8回】
我が国は血液検査と画像診断が共に高度に普及している国であるが、諸外国と比較すると以下に掲げる特徴がある。 1. 市場規模の割に体外診断薬市場における参入企業が多い。 2. 検査市場における「外注検査」と大手検査センターの存在感が大きい。 3. 他国に比較して、多項目の血液検査と高価な画像検査が
2016/01/06 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第7回】
体外診断薬の黎明期には、いわゆる自家調製試薬と商用試薬があり、前者は検査室で自家調製を行っていた。後者は我々が普通に認識する体外診断薬で、メーカーが製造販売しているものである。 やがて生化学自動分析装置で生化学項目の検査が自動化されると、機器分析に最適な精度と再現性を試薬側に求めることになった
2015/12/03 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第6回】
医療用医薬品と体外診断薬というものは、時として疎遠となり、またある時は極めて身近なものとなる。ここしばらくの動きをみていると、ある周期で付いたり離れたりを繰り返している。現在は、両者がかなり親密になっていると表現して差し支えない状況だろう。 その昔、と言っても筆者が体外診断薬業界に入ったのは3
2015/10/28 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第5回】
現在の医薬品医療機器等法(薬機法)には、明確に「体外診断用医薬品」が「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう」の旨が定義付けられた。まさに体外診断薬を扱う業界はもとより、これに関わった多くの人にとって悲願達成という感を深く
2015/10/01 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第4回】
体外診断薬の世界は自動化されたものと思われるだろうが、今から数十年前までは全く様相が異なっていた。欧州あたりでは、ドイツなど一部の国を除いて、四半世紀前までは用手法(マニュアル)、つまり機械を使うことなく人間が検査試薬を使って検査するものがほとんどだった。 それが今では、先進国の検査室を眺めれ
2015/09/03 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第3回】
意外かもしれないが、旧薬事法において、元々の法律には「体外診断用医薬品」という言葉は出てこない。平成14年の薬事法の改正で、体外診断用医薬品の定義が法律の条文に書かれることになり、現在の医薬品医療機器等法にこれが引き継がれている。その定義とは「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品
2015/08/14 AD その他
異文化の底流にあるものは?
「異文化」(いぶんか)=「ある人が所属する文化と異にする文化」ということですが、長いこと、異文化を持つ国々との仕事で感じたことを簡単に綴ってみたいと思います。 1.フィンランド編 森と湖の国、フィンランドも年前にはまだ北欧の地味な国でした。当時の産業といえば木材産業で、今のハイテクイメージは全く
2015/08/03 AD 医療機器
体外診断用医薬品とはどういうものか?【第2回】
医薬同業だったかつての日本の医療 明治時代以前の古くから日本では漢方医が「お医者様」として日本の医療を担っていた。お医者様の大事な役目は見立てと投薬であり、患者の方も、体調を見立ててもらうこと、そして「薬(生薬が基本)」をもらうことが、お医者様に行く目的であった。かつては医師が調剤と投薬をしていた。