体外診断用医薬品とはどういうものか?【第7回】

 体外診断薬の黎明期には、いわゆる自家調製試薬と商用試薬があり、前者は検査室で自家調製を行っていた。後者は我々が普通に認識する体外診断薬で、メーカーが製造販売しているものである。
 
 やがて生化学自動分析装置で生化学項目の検査が自動化されると、機器分析に最適な精度と再現性を試薬側に求めることになった。やがて、安くて良い物を提供する「試薬企業」が続々誕生することになる。
 
 生化学項目が全自動で測定されることが当たり前になっても、高感度を求める微量の生体物質の定量測定は、1980年代の時点ではほぼ用手法で測定されていた。やがて高感度測定を求める、いわゆる免疫学的検査は日米欧の大手診断薬企業により相次いで完全自動化されてきた。1990年代には細菌学的検査以外の臨床検査、特に定量が必要なもので測定数(=患者数)が多い測定項目は積極的に自動化検査の対象となった。
 
 イムノクロマトグラフィーのような用手法によってドクターサイドで迅速検査するような場合であっても、測定結果をより定量的なものとするために専用の計測機器を用いる場合もある。恐らく、今後は薬局やドクターサイドにおける検査はますます普及することになるだろうが、その際にも試薬部分(=体外診断薬)と計測機器(医療機器)の組み合わせが多くなってくるだろう。
 
 検査を自動化することは機器を持っている企業が試薬を同時に開発することで達成する場合もあれば、一方で試薬と機器を別々に開発する場合もある。また、かなり珍しい測定項目、言い換えれば検査数が限定されるようなものは今でもその多くは用手法もしくは測定のある部分のみが自動化される形で測定されている。

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